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button_w_r_japanese精神


西洋では、精神は、脳で完全に構成され、脳が他の部分の相互作用をコントロールしていると考えられている。
東洋では、私達人間の精神は、それ以上のもので、
 * こころ=3つの宝、頭  (脳) 
            心臓 (内臓)
            腹  (丹田)天の象徴とする。
 * 意識==心臓から神経を通して感じる感覚を脳が理解する。
 * からだ=未来ー足 (足から老いを感じる)
       現在ー内臓(健康状態)
       過去ー脳 (記憶、年月を感じる) 地の象徴とする。
これら3つの要素から成りたっているといわれている。
精神は、私達の行動や状況に脳が反応するものと単純に考えるよりも、いかにこれら3つの要素で構成されているか理解することによって、その性質、影響が明確になる。例えば、指を怪我してその傷や血を見ると直ちに痛いと反応するが、その反応(痛み)だけに集中していくと、単なる痛みの感覚を超越することがある。脳は精神をコントロールしているが、それだけではないということを理解することが重要である。      
 太極拳は、完全にからだの緊張を抜いた動作と意識の集中[QUIET AWARENESS](集中力が高まり、頭の中の思考が静止して冴える状態で自覚がある)によって注意力を広め、精神力を強化する。「QUIET MIND]=無心との違いは、頭の中に思考があり静止していることである。例えば、推手では相手に注意力を集中し、つかずはなれず、互いのからだが一つに見えるような動き(からだの緊張を抜く)をとる。
また、ストレスは中枢神経によってつくられている。今日、私達は多くのテクノロジーを使い、かなりのプレッシャーとともに生きている。
一つの仕事に落ち着くことなく、デスクワークからコンピューターワークへと動き、次ぎから次ぎへめまぐるしい早さについていこうとする。かなりのストレスになるはずである。それに、家電品などの電磁波、放射能などの悪影響も被っている。このような環境で、本当の精神のやすらぎを見いだすことはむずかしい。
 太極拳は、「QUIET MIND]=無心を生み出し、「気」によって強靱になった神経とともに精神を落ち着け、ストレスをやわらげる。つまり、からだの内面 ー受動である陰が、からだの中のエネルギーを活発に動かす陽となり、からだの外面 ー能動である陽が、からだの外側(皮膚や骨など)の柔軟性と敏感な感受性を持続する陰となるのである。
陰は陽であり陽は陰である。白黒のシンボルマークをみるとわかるように、白の陽の内側は、黒の陰でもある。そして太極拳の動きは、静止しているようで、絶対に静止していない。